職員室で倒れた私が始めた働き方改革。


職員室で倒れた私が始めた働き方改革。

完璧主義で身を削り続ける先生へ


こんにちは。
教員専門ライフコーチの蒼井櫻子です。



もし今この記事を読んでいるあなたが、



  • 帰宅したら寝るだけで、ほとんど家にいない

  • やりたいことがあっても、優先順位は常に最後だから結局やらない

  • 「仕事が終わらない」と焦るのに「仕事をしない時間」には罪悪感がある

  • 今の働き方では、定年までもたないかもしれない


——と、感じているとしたら、過去の私と共通点があるかもしれません。



私は、完璧主義と強い自責思考から、身を削る方法しか知らないまま働き続けたために、職員室で倒れました。



鬱の診断を受け、1か月半の休職(療養休暇)。


それまで仕事への心配から1日3〜4時間しか眠れなかった私は、一転してほとんど寝るだけの毎日を過ごしました。



そして復帰後――
仕事量を減らしていただいたのに、時間が全く足らない。


そんな現実に直面しました。



「あれ?私の働き方、何かおかしくない?」



ここから、少しずつ私の「勝手に働き方改革」が始まりました。
それは、自分のなかの仕組みを見直す、9年間の取り組み



これから、そのステップをお話しします。読みながら「自分の場合はどうだろう?」と考えてみてくださいね。



この記事を…

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やらないことを決める &「6割で出す」練習


復帰した私は、業務をかなり減らしてもらいました。
担任なし、担当科目数も減り、部活も文化部の第二顧問へ



……なのに帰宅は20時台

むしろ「早く帰れた!」と喜んでいる自分がいたんです。



でも、薬を飲むと8時間眠り続けるようになっていた私は、遅くとも22時にはベッドに入る必要がある。


食事、寝支度、翌日のちょっとした確認となると、帰宅後に残される時間は、ほぼゼロ。



心当たりは「完璧主義・心配性・過敏」

確認作業に時間をかけすぎる。

  • 指摘=人格否定のような気がして怖い

  • 授業は一発勝負だから間違えられない


誰も気にしていない“ちょっと不便”を見つけて直してしまう。

  • ここを直したら先生たちの動きがスムーズだな

  • こうしたら生徒が興味を持ちやすいな



確認や改善をすること自体、悪くありませんが、行き過ぎるといずれも支障がでます。

生徒のため、組織のため、と使命感・責任感も合ったと思います。



だから最初にやったのは、とてもシンプル。


  • 思いついても「やらない」練習

  • 依頼された仕事を「6割でやる・出す」練習


はっきり言いますが、これを一人でやるのはしんどいです。だって、自然にやってしまうことを否定する作業だから。


しかも鬱は続いていましたから、途中で何度も挫折。結局、この練習には、3年かかりました



この取り組みでわかったのは、



「6割で出しても、誰も気にしない」

「え?こんなんでいいの?」


拍子抜けするくらいでした。それくらい私の完璧主義・心配性は細かかったんですね。



退職直前に先輩に言われた言葉が、今でも軸になっています。



「あなたの60点は、他の人にとっては120点だよ」



Q.今、あなたが「6割で出してもいいかも」と思う仕事は何ですか?

本質的な仕事は何かを考える


次にやったのは「結局、この仕事は何ができればいいのか?」を考えること。



多くの先生は「仕事に順位をつけちゃいけない、悪いことだ」と言います。



その気持ち、よくわかります。


「人を育てる仕事」だからこそ、順位をつけることが子どもたち・生徒たち一人ひとりを軽んじる行為に感じるんですよね。



でも、それは違います。



子どもたち・生徒たちと全力で向き合いたいなら、エネルギーは分散させず、注ぐ先を慎重に決めたほうがいいのです。



ここを考えるようになると、 一気にコントロール感が増します。

例えば、私がよく担当した「登校指導」は、身だしなみ・登校態度を含めた生活指導、交通安全の確保、近隣や公共交通機関の方への配慮…と、いろいろと見るポイントがありました。



些細な異変に気づいてしまう過敏な私にとって、大規模校の登校指導はエネルギーをひどく消耗するもの。先輩にも「今のよく気づいたね」と言われるレベルでした。



でも、本質って何でしょう?


  • 生徒を安全に登校させること。

  • 周囲への配慮を身につけさせること。



それだけです。それ以外は、できる範囲でやる。こう考えると、業務の中にある重点項目を見つけることができます。



教員の仕事だからといって、すべてが等しく重要なわけではないのです。



Q.あなたにとって、「文化祭」や「発表会」の本質は何ですか?崇高なものでなくていいです。

すぐに答えがでなくても大丈夫。時々考えてみてください。


自分の「仕組み」と価値観を知る


手帳難民を卒業し、手帳を使ったプランニングをかためていったころ、私は「自分を動かしている仕組み」に興味を持ち始めました。



ここで見えてくるのは、


  • 生きている実感を感じるのはいつ

  • 譲れない価値観とは何か

  • 当たり前とは何か

  • 消耗するのはどんなときか


2年連続で夏休みにイギリスにいっていた私は、カルチャーショックの毎日から「当たり前って何だろう?」と思うようになりました。



そのなかで、人から刷り込まれた価値観や教員としての思い込みに気づいたんですね。



それらをすべて取り去ってみると、自分の大切にしたい価値観ややりたいことに注目できるようになりました。



それが日本史の授業と進路面談でした。

好きで得意なのだと気づき、コーチングを体系的に学ぶようになったんですね。



ここにフルパワーで臨むと決めると、一気に生活がスッキリしてきました。


仕組みを活かして、仕事をデザインする


これで最後です。



自分を動かしている仕組みが大体わかったところで、今度は体の仕組みに合わせて仕事を整えるようになりました。



手は右利き、目と足は左利きの自分に合わせてデスクのレイアウトを直して手帳の位置を固定。



データ管理と手書き管理も、「自分に直接絡むものは手書きがいい」と気づいて整理しました。



そしたら、探しものをする時間がほとんどなくなったんですね。データも、書類も全部パッと出せる。どこに何があるかわかる。やり残し・やり忘れもほとんどない



得意な仕事に全力投球し、それ以外はラクにする仕組みを整えていくなかで



20時→19時 → 18時 → 17時 → 16時


——と、少しずつ自然に早く帰る日が増えていきました。1年に1時間早まる…くらいのペースです。劇的でもなければ、魔法のような解決策でもないですよね(;^_^A



この9年の取り組みをベースに、プランニング講座では、4ヵ月で1.5~3時間の短縮を実現しています


自分をすり減らして生きなくていい



  1. タスクを削る & 6割で出す

  2. 本質的な仕事は何か考える

  3. 自分の仕組み・価値観を知る

  4. 仕組みを活かして仕事をデザインする


もしかしたら、「それって普通でしょ?」と思う方もいるでしょう。



でも、自責思考がベースにある先生にとって、その“普通”は怠惰であり、悪です。ずっと避けてきたことなんですね。



でも、何をやりたいのか決めたり、エネルギーの注ぎ先を調整したりすることは怠惰でも悪でもなく、高いパフォーマンスを届け、そんな自分を好きでいるために必要なことだと思っています



今日紹介した私の経験は、どれから始めても大丈夫です。まずは「ひとつだけ」選んでください。


  • 6割で出す

  • 本質を考え続ける

  • 自分の価値観を手帳に書いてみる


「自分一人で働き方を変えるのはしんどそう」「倒れる前に何とかしたい」と感じる先生は、無料セッションでお話ししましょう。



  • 今の働き方のどこがしんどいのか

  • どんな価値観が影響しているのか

  • どこから変えるとラクになるのか



一緒に整理していきます。

あなたの「自分軸で働き、穏やかに楽しむ生活」を始めませんか?


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