こんにちは。教員専門ライフコーチの蒼井櫻子です。
新学期が始まり、半月が経とうとしています。今度こそ自分を大切にした働き方へ変えていこうと決めたのに、いつの間にかいつもの「忙しさの波に追われる」「目の前にやってきたタスクを片づける」毎日に戻っていませんか?
今日お話ししたいのは、そんな皆さんの働き方を個人レベルで変えるために「自分の常識を疑う」ということです。
「仕事が多すぎる」「時間がかかりすぎる」と感じるとき、もちろん管理職や教育委員会、学校法人本部・理事会が要因になっていることもあります。でも、実は多くの先生が、自分自身の「当たり前」に縛られて、自分で自分を苦しめているんですね。
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ある先生は「誰よりも早く動かなければならない」と考えていました。また別の先生は「進路指導では、生徒が失敗しないように先回りしなければならない」と思ってきました。
こうした「常識」は、教育実習の教官や新任時代の指導教諭、近い先輩から言われたことだったり、彼らや目標とする恩師の働き方を真似するなかで刷り込まれたりしたことがほとんどです。
真面目な先生ほど、そうした「当然」を自分のルールにしてしまう傾向があります。
「先輩が言うんだから間違いない」
「あの先生には睨まれたくない」
「学校で生きていくには、従っておいた方がいい」
どんな理由があったにしても、長年の勤務のなかで強化され、いつの間にか疑うことや考えることを忘れ、あたかも自分の価値観や「教員全体の常識」であるかのようにしみついてしまったのです。
しかし、立ち止まって考えてみてください。その「常識」は、本当にあなたにとって正しいことでしょうか?
真面目な先生が頑張りすぎることで、それを見た真面目な後輩へ受け継がれていく。教員の「働きすぎ」は学校という集合体の中で簡単に再生産され、強化されてしまいます。
よかれと思って先輩が指導してきたことは、かつて別の先輩が刷り込んだことであり、今やあなたが刷り込みの担い手になっている可能性だってあるのです。なんだか、怖くないですか?
それは「新人教育」や「先輩からのアドバイス」としてかもしれないし、あなた自身の働く姿勢そのものかもしれません。
閉鎖的な業界で、何十年と受け継がれ、しかも濃縮されてきた教員の常識。
子どものころから「いい子」でいなければ…と、生き抜くために自分を偽ってきた人なら、なおのこと影響を強く受けます。
この負のループから抜け出し、連鎖を断ち切りたいと思いませんか?
この「呪い」から抜け出すために、ぜひ試してほしいワークがあります。
書き出し: 「教員なら当然やるべき」「普通はこうする」と思っていることを、まずは3つ書き出してみる。
問いかけ: その横に、「本当にそう?」と問いかける。
内省: もしそれを「やらない」と考えた時に、罪悪感を感じたなら、それは誰かから刷り込まれた「呪い」かも。いつ、誰に言われたことなのか、当時どう感じたのか、思い出してみる。
とてもシンプルですが、実際にやってみた先生方からは「新しい発見」「面白かった」「自分の在り方に納得できた」と反応をいただきました。
このワークで、自分を縛っていた見えない鎖が見えてくるはずです。それがほどけてくるような感覚を得る方もいると思います。
罪悪感から解放され、思考が整理されたら、次はその「当たり前」を少しだけ変えてみましょう。
教員として何を実現したいのか?
学校・生徒たちに貢献するために、どんな強みが活かせるか?
今の私だからできることは何か?
自分の心や体に敏感になっていい
「他者と自分では大事にしていることや強みが違う」と理解すること。そうすることで、あなたはもっと自由に、心穏やかに働けるようになります。
正直な話、私は新人や5年程度の若手の先生であれば、「まずはやってみなさい」という指導はありだと思っています(古いと言われようと、賛成派です)。やったことのない仕事や適性があるかわからない業務も多いからです。
一方、私の発信をお読みの先生は10年前後の中堅やベテランの方が多く、新人・若手を指導、サポートする側に回られます。
負の連鎖を断ち切るのであれば、あなた自身が自分の価値観で働く練習をすることと、後輩の先生と向き合うときに「ここに自分らしさを加えるなら?」「あなたはどこで区切る?」のように問いかけ続けることです。