先生は「人間くさい」くらいでちょうどいい。


先生は「人間くさい」くらいでちょうどいい。

女性教員専門ライフコーチ 蒼井櫻子です。


今回は、楽しく健康に働きたい先生が必ず通る第一関門について、お伝えします。



心身ともに無理なく、健康に働きたい。

自分時間や、家族・パートナーとゆっくり過ごす時間をもつことを当たり前にしたい。


そういう先生が、プランニング講座にいらっしゃいます。



このチャレンジを始めてすぐにやってくるのが「諦める」ということ


これは「断念する」という意味ではなく、自分がもてるもの・そのままの自分を明らかにするということです。


人にとって、時間の見積もりは非常に難しい…というお話があります。


その要因は、私たちが楽観的になってしまうからでしたね。




この仕事は30分でできます!


ただし、


  • 隣の先生に話しかけられなければ
  • 電話がかかってこなければ
  • クラスで心配事がなければ
  • 元気で、集中できていれば


でもそんな状況は、まずありえないですよね。


さらに、私たちは自分自身がもっている能力に対しても、楽観的になっていて、それに気づいていないということがあります。



言い換えれば、自分にかけている期待がとてつもなく重くて、実際は自分自身が耐えられなくなっていることに気づいていないのです。


今回は、ここから抜け出すための考え方についてまとめてみました。


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「ありのままの自分」を認めるのは怖い

どんな期待をかけているかというと…



  • たくさんの仕事をこなせる
  • 苦手な作業でも、最終的には完璧にできる
  • 作業スピードや集中力は、すぐにどこまででも延ばせる
  • 紙に書かなくても、ずっと覚えていられる
  • 会議では、誰もが満足する答えに落着させられる
  • 他の先生たちの誰にも嫌われることなく働ける



だから、私の評価はもっと高くなければならない

人から「〇〇先生って、すごいですよね!」と褒められなければならない。



そうでなければ、私は教員失格であり、人間失格ですらある。



いかがでしょうか?

そうあらねばならない、と感じたことはありませんか?



これらは、実際にプランニング講座やコーチングセッションで先生方に問いかけていくと、最終的な答えとして出てきたものです。



お話を進めていくなかで



「それって、どういうことでしょうね?」

「その根底には、どんな思いがあるんでしょうね?」



こんなふうに問いかけていくと、出てくる言葉なのです。



自分がそう信じてきたことを受け容れることができるか否か、ということで、その後の(個人レベルの)働き方改革の度合いが違ってくる感じがします。



受け容れるのは、とても怖いことです。


自分で過大なプレッシャーを自身に課していたことを受け容れることも、その期待に自分が応えられないと受け容れることも、大変なチャレンジです。



理想と現実のギャップはこうして生まれる


一方で、このとき冷静でいることも大事だと感じます。



私のところにご相談にいらっしゃる先生は、思うようにうまく進まないときに「自分は頭が悪いから」と理由付けすることがあります。


そういう単純な結論に落とさないでほしいんですよね。


そうすると、自分に課したことさえできないアンポンタンだから、一生早く帰れるようにならないし、一生自分時間を楽しむことも、大切にしたい人たちとゆっくり過ごすこともできないのだ…となってしまうのです。



生徒たちにも、同じことを言いますか?


  • あなたはアンポンタンだから、やりたいことはできませんよ。
  • 大人になったら、成長は頭打ちですよ。何も変えられませんよ。


こういう話をするのでしょうか?



伝えたい理想と、自分の在り方にギャップがあると、それだけで大きなストレスになりませんか?



そもそも、自分に課している期待が超人レベルなのだということを、受け容れてみるとどうでしょうか。


「自分は人間だ、常人だ」ということを、ありのままに見てみてください。



尊敬するあの先生も、常人


ここまでお読みのあなたは、このように思うかもしれません。



「でもね、〇〇先生は、すごい仕事ができて完璧なんですよ!」



具体的な同僚を思い浮かべたかもしれませんが、その人もごく普通の人間なのです。



私は、3ケタの教員が働く大規模校で12年働いていました。



周りにいるのは、名前がピカピカの旧帝大や超名門大出身の先生ばかりで、地方公立大出の私は(勝手に)肩身の狭い思いをしていました(;^_^A



それでも、この人は完璧だ!無敵だ!最強だ!と思ったことは一度もありません。



すごいなぁと思ったとしても、部分的に「ここを盗みたいなぁ」と観察するくらいです。



  • 授業が上手で、生徒のフォローが丁寧でも、服装の指導は全然やらない先生
  • 生徒への言葉がけが秀逸でも、その真意を聴くとちょっとガッカリな話をする先生
  • 会議でクリティカルな指摘をするけど、1対1で話すと自慢話ばっかりの先生



みんな、「人間くさい」のです。

凸凹なところもあるし、スムーズなところもあります。

私も、これをお読みのあなたも「人間くさい」のです。



私は、好きなことはとことんやるけど、興味のない仕事をやらなきゃいけないときには(-_-)←こういう顔をしていました。

生徒指導担当が長く、校則に詳しすぎて融通がきかない教員でした。

校外学習や合宿では、すぐに体力を消耗して先輩に叱られていました。



だから、私のことを嫌いな先生や教え子、親御さんは今でもいるはず。

でも、とても自然なことですよね。

私は、ごく普通の成人なのですから。



「自分は普通の人間だ」と一旦受け容れると、



  • 自分のキャパシティに合う量で
  • 自分の特性に合う方法で
  • 自分の価値観に沿った在り方で



無理なく、働き方を見直すことができます。



この3つがガッチリ噛み合うことで、少しずつその三角形は大きく成長するのです。


自身の特性や強みを活かすことで仕事が捗ったり、教員間の連係がよくなったりして、全体の負担が減ることもあります。


サクッと仕事を片付けるアイディアも、ぽんぽん出てくるようになるんですよね。



それは、SNSや本の時短術・仕事術では出てこないような小さいことでも、本人にとっては画期的なものだったりするのです。



等身大の自分が見えてくると、限られたなかで最大限の工夫ができます。

どの方向に伸びればよいのか、明確になるんですね。



  • こなせる仕事には限りがある
  • 苦手な仕事は時間がかかるし、得意な人が満足するレベルにはならない
  • 作業スピードや集中力は、すぐに伸びない
  • 紙に書かなければ、今夜には忘れる
  • 会議では、誰もが満足する答えは出せない
  • 先生たちに嫌われることもある



先生方が、ここに気づくタイミング第一位が「手帳に記録を取り始めたとき」



「私がやろうとしていたことって、無理ですね」とおっしゃいます。



けれど、第一関門を超えると本当に楽になり、次の関門で「タスクを削る」がスムーズに進みます。


そして、まだまだ大人になっても成長できるのだ、自分を変えることができるのだと実感していただけるのです。



今回は、「自分は人間だ」と受け容れると見える世界が違ってくるというお話でした。



新年度こそ、確実に仕事を減らしてサクッと帰る。

やりがいを感じながら、健康な心と体で先生を続ける。



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ここまでお読みくださったあなたと、実際にお話するのを楽しみにしていますね。


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