「辞めたい」が口癖の教員だった私が、やりがいを見つけた方法。


「辞めたい」が口癖の教員だった私が、やりがいを見つけた方法。

教員専門ライフコーチの蒼井櫻子です。



教員を続けていると、一度は頭をよぎるのが「退職」という言葉。



私自身も口癖のように「辞めたい」とつぶやいていた頃がありますし、これをお読みのあなたもそうだと思います。



この言葉の怖いところは、一度思いついてしまうと、かなり長い間に渡って思考を支配される点でしょう。



退職すべき材料を、不思議なくらいにたくさん集めてきますよね。



だんだん愚痴っぽくなり、顔つきも卑屈になり、組織や同僚、関わるすべての人に対して批判的になります。



そうして、そんな自分自身が嫌いになっていくという悪循環に入るんですよね。



(精神疾患を疑う先生は、早急に受診を。既にお持ちの先生は、休職という選択をおすすめします。)



教員を「辞めたい」と思ったとき、自分自身とどう向き合ったらよいのでしょうか?



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「辞めたい」と「辞めよう」は別


大前提として、今回は「辞めよう」の話はしません。



既に退職は結論になっていて、先が見えている状態です。



  • 転職する

  • 起業する

  • 働くのをやめる

  • 大学院に行く

  • 学校を移る



いずれにしても、自分の次の動きに意志と責任をもっていますよね。



あなたが今抱えているのは、「辞めよう」ではないと思います。



「辞めたい」の場合、逃れたい苦しさや辛さを抱えているはずで、本当は「よく頑張ってきたね」「辞めても大丈夫なんだよ」と認めてほしいのだと思います。



走行距離も走行時間も、表示が何もないトレッドミルを走り続けている疲労感かもしれません。



何も見えず、何があるのかわからない真っ暗闇を、後ろから押され続けて前進する不安感や焦燥感かもしれません。



この生活がずっと続くのか。

定年後、後悔しないだろうか。

命を無駄遣いしているのではないか。



何か大きなものにジワジワと取り込まれるような、あるいはゆっくりと自分を失うような恐怖を抱えているのではないでしょうか。


中堅・ベテラン教員が辞めたくなる瞬間



経験を積むと、教えたことのない科目でも要領よく準備をして授業できるようになりますし、生徒と関わるときの指導基準も蓄積されて楽になります。



若いころは、休みがなかったり、わからないことが多かったりして辛く感じていましたが、中堅・ベテランになると「辞めたい」の中身は違ってきますよね。



私のケースを3つ紹介しますので、あなたの現状と照らし合わせてみてください。



①強烈な自己否定



どんなにキャリアを積んでも、学級経営が上手くいかないことは当然ありますし、自分のクラスから生徒指導が出るタイミングもありますよね。



「なぜあのとき気づかなかったのか」

「あんな対応をしなければよかった」

「生徒指導主任なのに指導が出るの?」



発覚する前後や保護者からの叱責を何度も何度も反芻して、力不足や判断ミスを徹底的に追及してくる自分がいました



精神的な自傷行為が一番きつかったです。




②担当科目がつまらなすぎる



私は中高一貫校にいましたから、中1と高3を同時に教えるということもあり、張り合いがなさを感じる年度も…。



授業はやってもやっても次があるし、長ければゴールまで2年かかります。



学年によって変わった問題をテストで出せず、つまらない、面倒くさいと思うようになりました。



③やる気のない教員や管理職への怒り



自分自身が身を削っているときほど、他人の働き方や言動に批判的になりませんか。



かつて憧れた先輩が「うちは何をやっても変わらないよ」と死んだ目をしていたり現場になじまない決定が下されたりしたときは、失望しました。


理由から見える、仕事の楽しみ方



考えてみると、私の「辞めたい」は、上記3つに集約されます。さらにまとめると、自分の傾向が見えてくるんですね。



  • おもしろいことをマイペースにやると楽しく働ける

  • ネガティブすぎて精神的な自傷行為に走りやすい



あなたの「辞めたい」の理由を挙げてみると、どんな共通点が見えてきますか?



無理なく穏やかに働くために、あえてやることや注意して避けることが見えてくるはずです。



自分だけの楽しい働き方がわかると、できることが増えるので、ある意味では他人の働き方に無頓着になります。



私が取り組んだのは2つ。



1つめは、思いついたことをどんどん提案するようにしたこと。却下されてもいいんです。



ポイントは、問題点の指摘に加えて具体的な提案をすることです。すると、相手は受け止めてくれます。



(昔は、職員会議で管理職と喧嘩したり、教頭室で悪態をついたりしたこともあります( ;∀;))



教務部にいたころ、高大連携プログラムがあり、生徒の動員が不十分なブースがありました。



Excelでつくられた一覧表で生徒募集をかけていたので、「目立つポスターがあればいいのになぁ」と思った私は、提案用に作成してみました。



画像加工アプリのCanvaに慣れていた私は、1時間程度で2枚を作成、提案。とんとん拍子に貼りだされ、参加生徒を増やすことができました。



こんなふうに、得意なことや楽しいことで、組織に貢献する方法を考えてみてください。



そうじゃないことは6割でやってもいいんです。



2つめは、自分の悪い癖を自覚し、向き合ったこと。



私の悪い癖は、うまくいかなかったことを何度も反芻して傷をえぐること。



意識的に「それはそうとして、今やるべきことは何か?」と考える練習をめげずにやってみると、落ち込みが軽くなって次の行動に移りやすくなりました。


楽しく働く方法を探してみて



「辞めたい」と感じたとき、理由をリストアップして共通点を探ると、やりがいを感じながら楽しく働く方法が見えてきます。



それでもネガティブな感情に引きずられてしまうときは、素直に「辞めたいんだよね、そうだよね」と受け容れてしまうことです。



すると、スーッと俯瞰できる自分に気づきます。



そのうえで、キャリアの棚卸をするもよし、転職サイトや起業塾、別の学校の募集をチェックするもよしです。



あなたが今の学校に骨をうずめる義務はありません。



心から楽しく生きる姿を見せることで、隣にいる先生が明るくなったり、未来の先生が増えたり、生徒たちが大人になるおもしろさを感じたりすると思うのです。



先生自身の内側をじっくり探検して、どんな自分でありたいのか探ってみてくださいね。



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