教員専門ライフコーチ蒼井櫻子です。
「やると決めたはずなのにできない」というモヤモヤ、抱えていませんか?
目標の退勤時刻に帰る
一人旅に出かける
趣味や習いごとを始める
“自分のために”やると決めたことができない。
年始や年度始め、または願いごとや誓いを立てるのにいいと言われている日に文字にして書く方もいらっしゃるでしょう。
でも、実際はしない。
1年後に、また同じ内容を書いていたり、「抱負は何ですか?」と聞かれたら決まって答えるフレーズがあったりする。
とはいえ、決めたことができないという一見誰もが経験している、ちょっとした悩み。
その背景にあるものは、まったく別物なんです。だから、対処やケアもまったく別。
あなたの現状と照らし合わせながら読み進めてみてくださいね。
この記事を…
何日、何時に、どこで、誰と、何をどうするのか決めていない。スモールステップの1段目もわからない。具体的なものは何も決めずに「やるぞ~!」と意気込んでいる状態。
対処法は、簡単なものが2つあります。
特に先払いが必要なものがおすすめです。
映画のチケット
旅行の予約(新幹線・飛行機、ホテル、ツアー)
資格試験、習いごとの申込
先にお金を払ってしまうと、逃げること自体が面倒になります。
2018,2019年の夏休みに超短期留学(2週間と3週間)をした私ですが、前年の秋冬に留学エージェントを訪問しました。
当然、予約が必要です。
無料相談ですが、相手が時間を割いてくれるものを予約する点で「キャンセルが面倒くさい」になりますよね。
会い始めると途端にエンジンがかかって、複数の会社を比較できるほど、フットワークが軽くなります。
契約先が決まれば、留学関係はあらゆることを期日を切って催促してくれるので、後は流れに乗るだけです。それに合わせて業務上の必要なことがらも進めます。
職場への海外旅行願&旅程提出
学年主任や部顧問に不在期間の連絡
銀行の預金証明取り寄せ
飛行機の予約、寮の手配
変換プラグ購入
不在を見越した夏期講習計画
同上、実力考査作成
日付を決めて予約すると、それに付随するタスクが生まれます。すべて手帳で管理すれば、手帳がお尻を叩いてくれることになります。
「〇〇をやる」と宣言したり、「〇〇をやっている」と表明したりするのはよく聞きますが、肝心なのは宣言する相手です。
「できませんでした」と言えない相手を選ぶといいです。簡単に甘えられてしまう人には逆に言わないことです。
おすすめは…
よくしてくれる上司
ちょっと年下の同僚
担任しているクラスの生徒
学級通信に書くのもおすすめです(保護者にも伝わる)。同じことをいろいろな人に、何回も表明・宣言しておくのです。
「〇月にTOEICを受験するために勉強している」
「最近、ヨガ教室でこんなポーズを習った」
時期も含めてですが、ただ言うだけでいいのです。相手に覚えていてほしいと依頼する必要はありません。
相手が覚えているかもしれない、やらなかったら「口だけだ」と思わせたくない…という、微妙な緊張感がちょうどいいわけです。
生徒が「次は〇点をとる!」「〇時間勉強する!」と宣言したときに、たまに状況を聞くのと同じ感覚です。
有言実行しなくても、痛くもかゆくもないけれど、回数が重なれば“ちょっと残念な人”になります。人間は言葉よりも行動で判断しますから、他者の目が気になるという弱点を活用すればよいのです。
仕事で忙しいから
母親だから
お金がないから
不在にすると家事をする人がいないから
こんなふうに、やらない理由を探すのが得意なタイプです(私がなかなか留学しなかったのは「お金がないから」でした。実際は、十分貯金があったのに、です。)
「やりたいなぁ」と思っても、いざやるとなると失うもののほうが大きいように感じてしまうのです。失うものがアイデンティティと直結していればいるほど、やりたいことをやること自体が自己否定になってしまいます。
夏休みに一人旅に出ようと決めたとします。
10万円くらい使う計画です。
預金額が減る。
=身を削って働いて稼いだお金がなくなる。
=頑張った自分が報われず、可哀想。
=旅行に行かないほうがいい。
でも実際は、翌月に給料は入金され、年単位で言えばボーナスも入ります。
お金=仕事=自分の苦労という関係ができているわけですね。
自分はお金を使うに値しない人間だと感じる場合(過去の私です)は、「うちにはお金がない」と言われて育った人や、親が倹約している様子を間近で見てきた人に見られるかもしれません。
お金=安心、保険、生命維持という関係があるわけです。
他にも…
不在にしても、夫や子どもは普通に生活していて困らない。
Aパターン 自分がいる意味は何?
旅行=存在価値の否定
Bパターン 数日後に洗濯物の山ができているはず。
旅行=在宅時の自分時間喪失、家族への苛立ち増幅、存在価値への疑念
このような場合、自身のアイデンティティとの関係に気づいて違う道を選ぼうとするのであれば、コーチの手を借りながら、小さな成功を積み重ねて練習されるといいと思います。
あまりに失うことへの恐怖が大きい場合は、過去をしっかりケアできるカウンセリングが適していることもあります。
(次は、精神的に元気でない方には少し負荷があると思いますのでご留意ください。)
そんなに変わりたいわけではないけれど、変わろうとするパフォーマンスを必死にやっている。
できなかった理由を端から「自分の無能さ」に結論付けて、自分を責めたり懺悔したりすることでチャラにしてしまうケースです。できなかったこと自体をなかったことにしたり、やらなかった罪悪感を誰かに話して和らげたりするんですよね。
もはや頑張ることや自責自体がパフォーマンスになっているという状態で、決めたことをやる・やらない以前の話になります。
その実、誰かに認められたいという切実な感情かもしれません(「誰か」は自分の中にいる特定の人物)。
子どもの頃に、身近な大人に甘えられず、褒められず、「そんなの出来て当たり前だ」と言われてきたような人は、大人になってからもその影が頭から消えないはずです。
独立してからも、身近な人や大切だと思った人に否定されたり裏切られたりし続けたかもしれません。
そういうわけで「こんなに身を削って頑張ってるんだよ!」と無理する姿を褒められたい、可愛がられたいわけです。
親への赦しを含めたセルフケアについては、ep.60「精神的な親離れとあり方の選択」をお聴きください。
変わろうと努力している姿を褒めてほしいという思いが根深い場合、そういう自分を受容していくには時間がかかりますので気長に、かつ無理のない範囲で進めるといいです。
もしあなたの努力が、誰かの目や頭の中のあの人のことを気にしてやっていることだと感じたら、一旦やめてみるというチャレンジをしてみるといいかもしれません。
一人でやるのが心配な方は、コーチと一緒にやってみるといいです。
ただ、コーチングは過去の話をしないのが基本。カウンセリングとの境界線にあるようなお悩みを扱うことが多いコーチがおすすめです(私でなくても大丈夫)。
決めたことができないという、一見同じ事象でも、その下にはまったく違うものが隠れています。それによって、あなた自身を鼓舞するのか、癒すべきなのか、変わってくるんです。
決めたことをやる・やらない、いずれにしても、目の前にある壁や足枷が消える感覚を体験することができると思います。
あなた自身の現状が3つのどれかに当てはまったのであれば、0.3歩でも行動を起こすチャンスですね。