手帳術で仕事は順調なのに、なぜかモヤモヤする理由。


手帳術で仕事は順調なのに、なぜかモヤモヤする理由。

女性教員専門のライフコーチ蒼井櫻子です。



この記事を執筆しているのは5月中旬。新年度が始まって1ヵ月が経過し、新しい学校、分掌、学年、クラスに少しずつ慣れてきた頃ですね。



前の勤務校や一緒に組んだ先生と現状を比較したり、戸惑ったりしながらやり方や心持ちを調整されながらの1ヵ月だったかと想像しています。



そんななかで…


  • 今年こそ心身ともに健康的に働こう!

  • 家で仕事をしないようにしよう!

  • ずっと関心のあった授業を試してみよう!


このような思いで手帳を使い始めたという先生もいらっしゃいますよね?


  • 作業にかかる時間を記録する

  • 人に喜ばれる仕事から削る

  • 6割で済ませる

  • もっと簡単に済ませる方法を探る


昨年度までとは違う工夫を試したり、学んだ考え方を取り入れたりして何だか仕事がスムーズになってきたぞ!脊髄反射のように引き受けてきた仕事を断ったり、期限を交渉したりすることができたぞ!と変化を感じているのではないでしょうか?



一方で、このようなモヤモヤを抱える先生もいるはず…。



手帳を書いて先を見通せるようになったし、仕事もスムーズにこなせるようになってきたけど…


  • 体が重い。頭の切れが悪い。

  • 手つかずになっている大事なことが黒い大きな塊となって存在感を増しているような気がする。

  • 表層的な部分だけが変わって、根底は変わっていない気がする。


私も含めて、先生のための時短術や仕事術、手帳術をいろいろな方が発信していますよね。

そこで「なるほど💡そうすればいいのか!」と導入してみる方、納得したのになぜか着手に至らない方…それぞれいらっしゃいますが、「何かがおかしいぞ?」と感じる理由は意外に同じだったりします。

実はそれ、疲労なんです。

体も頭も容量を超えている状態。



今回は、疲労を貯めこんでしまう先生が スッキリしたり、肩の荷を下ろしたりできるようなアイディアを紹介します。新しい情報ではなく、現状を振り返り、今もっているアイテムをしっかり活かしていくものです。



ぜひ参考になさってくださいね!



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まずは先生が疲労をため込みやすい理由を3つ紹介します。


1 家ではまだ満点を目指している


フルタイムで朝から晩まで仕事しているのに家では「100点の妻・母でいなければならない」という強迫観念と今も闘っている先生、いらっしゃいませんか?



疲れること、休むことを許せない「もう一人の自分」がいるんですね。



これは過去の私…。

夫に嫌われたくない、減点されたくない と思って手間暇かけて家事をやっていました。スライサーやカット野菜、お惣菜を買うことすら自分に許可できませんでした。



夫が実際に注文をつけてきたわけではなく、むしろ「買えばいいじゃん」「料理が少しでも楽になるならキット使おうよ」とお試しセットを頼んでくれたこともあるのですが、「包丁でいいじゃん」「キットを使うとゴミがたくさん出るから」と導入しない理由を探していました。



仕事は6割でOK!が当たり前にできて疲れが軽くなっていたはずが、家庭生活ではまだまだ満点を取ろうとしてしまったんですね。体はひとつなのに、仕事用の自分/私生活用の自分と二人いるような感じでした。



そりゃ疲れますよね…ということなんです。



また、実態は「6割」で家庭生活が送れているとしても、もう一人の自分が「お前はサボっている」と責めたててくることもあります。



お子さんのいらっしゃる先生であれば、実家にサポートしてもらっていること、外食や宅食、子どもの成長を日々見たいのに気持ちも体力も足らないことへの罪悪感があると思います。



誰かと比較して足らない部分に注目しては自分を責めるという考え方が強く働いてしまうんですね。比較して「ない」に目が行くのは、人間として当たり前のこと。けれど、そこから自己否定や極端な自責思考に走ってしまうと、もはや自傷行為になります。



例えば、実のお母さんにしてもらったことと比べてしまう方。



実際は、家事や育児に時間を割くために 働き方を変えていたお母さんが多いはずですが、比べるときは度外視してしまいますよね。

だから、手帳を使って仕事が6割で完了できるようになると、余裕が生まれたと誤認してしまい、「今までしてあげられなかったことをしよう」と家事・育児に力が入ってしまうわけです。



本当はもともと限界突破していたのを限界ギリギリまで調整できただけで、二人分の気力・体力が備わったわけではないのです。


2 休む時間を決めない


真面目で頑張りすぎてしまう先生は、休む時間を予め決めておかないと休むことができません。



私はコーチングのクライアントさんやプランニング講座の受講生さんに「有休を取る日を学期始めに決めましょう」という話をよくしています。

この考え方は、平日でも同じ。1日のうち「この時間は何もしない」という時間を決めておくのです。動画やドラマをダラダラ見てもいいし、ボーっと天井を見ていても、ゆっくりお風呂につかってもいいのです。



休むことを自分に許せない先生は、睡眠時間以外はずっと生産的でなければならないと思っていませんか?それはとても無理な話。



あなたは人間なのです。PCでさえ、長時間使用し続けると熱暴走を起こしてしまいますよね。



休む許可を出せない先生は、睡眠までタスクになってしまいます。仕事の一環として明日のために寝るだけなのです。



このような生活は、病気へ一直線。一刻も早くサヨナラするに限ります。



このお話、家庭があるかどうかは関係ないんです。



私はシングルのとき、家にいるなら勉強しないともったいないと思っていました。試験を受ける予定がないのに、家で何か作業をしていないと時間がもったいないと感じる時期がありました(仕事は持ち帰っていない)。



何だかわからないけどやらなきゃ!と思っているなら猶更疲れている証。何もしないで休むという選択を取ってみましょう。最初は「仕事のために休む」という考え方でも大丈夫です。



3 パートナーとコミュニケーションをとれていない


パートナーと暮らしている、あるいは既婚の先生。こんな感情に苛まれることがありませんか?


  • 相手を見返したい

  • 自分の働き、貢献度を認めさせたい


つまりは怒りや渇き。これが燃料となって仕事に熱く取り組んでいるかもしれません。



でも、怒り・焦り・渇きは心を擦り減らしていくので疲労につながると思います。私個人の感想ですが、心はいつも荒れていました(別れてからこのような感覚に陥った方もいらっしゃるかも)。



「疲れてるな」と感じるときほど、そういうモードになっているのではないでしょうか。



お互いに忙しくて、落ち着いて話すタイミングがないと視野も心も狭くなります。すると「わからない、見えない」部分を妄想で補ってしまいませんか?無意識に対立してしまうカップルって、珍しくないと思います。



家のことをやってない側から注文をつけられたり、配偶者同士でお給料や家事分担のマウンティングが始まったり、監視されているような気がしたりします。



ちょっとした一言が火種になり、パートナー関係というよりも不健全なライバル関係になっていくわけですね。


その結果、相手に対して自分を上位、下位に置いたりして優越感からくる傲慢さや、劣等感からくる萎縮、自己犠牲が生まれてしまい、どっちにしても穏やかではいられません



  • 相手に負けたくないから働く。

  • 自分の頑張りを認めさせたいから、これ見よがしに苦労を買って出る。



結局はコミュニケーションを取っていないなどの理由から、相手の気持ちを妄想し、それを怒りに変えて疲労を生み出してしまうと思うのです。



もちろん、疲労が溜まる理由は他にもいろいろあるはずですが、先生方から聴くお話で多いものを3つ挙げてみました。


まず、今からできる解消方法。


こういう場合、自分の内面とじっくり向き合って妄想に気づく練習をしたり、パートナー・配偶者との関係再構築に取り組んだりする方がいいです。



ただ、時間がかかる課題で、すぐに改善とはいきません。今、何かできることがあるならしたいですよね?



そういうときに、まず試してみてほしいのが【生活全体を手帳でプランニングする】ということです。



仕事のことしか手帳に書きたくないという方、もったいないです。ゆとりのある生活をできていれば問題ありませんが、私の発信をご覧になる先生は違うはず。



生活全体をプランニングするとは、仕事でやっていることを1日全体を見てやってみるということです。



例えば…

  • ご飯食べる、お風呂に入る、リラックスする、寝る時間を決める。

  • 特定の家事を6割でやる、カットすることを検討する。

  • クタクタに疲れているなら今日は勉強はしない。

  • 喜ばせて評価されたくてやろうとしていないか?今、そのエネルギーが自分に残っているか?

  • タスクはぎゅうぎゅうにしないで余裕をもって入れる。



仕事の場合と違うのは、組織に関わることから着手するのではなく、自分のためにやりたいことを優先して入れるという点です。



プリンを食べる。パートナーといつもより一言多く話す。ドラマを見る。長風呂をする。日記を書く。…など。



意識して入れたいのは、ボーっとする時間です。この時間にタスクを入れない、動かさない、縮めない。我慢してください。盛大にグータラすると決めるのです。すると、不思議なことに、疲れることも、休むことも許せるようになりますし、時間をショート動画などで溶かすことが減ります



そんなことをする時間がない!と思うなら「時間がない、なぜなら…」という理由の方を削ったほうが健康的ですよ。



手帳術とコーチングを組み合わせたプランニング講座では、学校のシステムや受講生さんの特性に合わせて効率化する方法も考えるし、タスク自体を削る方法もお伝えしているんですが、特に意識してお伝えしているのは”自分を大切にして、人生全体を考えること”です。



仕事の自分とプライベートの自分というのは、キッパリ分かれてくれません。生活の中に仕事があるのです。



だから全体でバランスを見たほうが、気力、体力の消耗具合を見誤ることが少なくなります。



手帳を書いているのに、何か前進している感じがしないときは、仕事そのものとは違うところに要因があるかもしれません。



今日のお話がヒントになったら嬉しいです。