年度始めに夏まで見通す手帳術。


年度始めに夏まで見通す手帳術。

女性教員専門ライフコーチ 蒼井櫻子です。

いよいよ令和7年度が本格的に始まりましたね。

あなたは、どのような気持ちで生徒たちを迎えたでしょうか?

1学期は打ち合わせや個別の授業準備のほかに、大量の事務作業が待ち受けていますよね。

  • 名簿、教務手帳のセットアップ
  • 掲示物、配布物の作成
  • 教室整備
  • 個人調査票の確認、個人写真貼付、提出
  • 健康調査票の回収、提出
  • 学級経営案の作成、提出
  • 教科担当への名簿配布
  • 同科目担当者への覚書配布

などなど…

実際、これらのタスクはランク分けをすることができますが、今日はそれよりも先を見通しながらタスクを片付けていくことに注目した手帳術を3つ紹介します。


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1. 年度始めの仕事をすべて記録する​

目安は、新年度の人事発表からGWまで。

手帳のメモページでも、ノートでも、Excelやスプシでもいいでしょう。

大事なのは、必ず見返せる場所に記録することです。

記録する内容は3点だけ。

①仕事内容

②かかった時間

③不便な点、工夫を要する点

この記録は、来年度以降のあなたを助けてくれます。

データに残しておくのであれば、ファイル名は検索しやすいものにするといいですね。

私なら「年度始め」か「新年度」で検索すると思うので、以下のようにつけます。

例)年度始めタスクリスト

例)新年度準備覚書


2. リマインドの準備をする

行事予定が出たら(暫定版でも)諸々の業務の作業開始日を確定させることができます

例えば、高校の場合…

5月 中間考査+修学旅行/進路説明会

6月 実力考査+学祭準備LHR

7月 期末考査+学級懇談会

まず、考査に注目して考えてみます。

  • 私のスピードでは、問題の作成に3~4週間かかる
  • 印刷は考査日の2~3日前には済ませる

この条件があるので、おのずと作業開始日が決まってきます。

また9月には文化祭・体育祭があります。

6月のLHRでは、出し物や出場種目、クラスTシャツのデザインなど関連事項を決めますから、GW明けには生徒に声掛けをしなければなりません。

分掌の仕事もありますが、年度始めは満点ではなく「60点」でやることを心掛けました。

事務的なミスが多少あっても、修正が効くものです。

【手帳の書き方】

例)テスト問題の作成

  • 年間カレンダーを見て、作業を始める日と印刷日を決める
  • 該当する週を開き、日付の部分に「論述問題を2問打ち込む」と書く
  • ほかのタスクも同様に書き込む

その日に優先されるタスクが4月の時点で一つ決定します。

すると手帳をペラペラめくるだけで「今週はこれをやるんだった!」とわかるので、直前になって慌ただしくなることはほとんどありません。

私は、ワーキングメモリが大変ちいちゃいので、「●●は、〇日ごろにやればいいでしょう」という思い付きを覚えていられません。

先にタスクを「予定」に変えてしまうことが必要でした。

また、手帳は常に2~3週間先までパラパラ見る習慣をもつといいですよ。

3. 有休取得日を確定する

時間割が決定すれば、各クラスの授業時間数が確定します。

月曜・金曜に授業のあるクラスなら総数は減りますし、水曜・木曜に授業があるなら多くなりますよね。

下準備として、大体1時間でどれだけ進めるかは決めておくことが肝心です。

私は、Excelで授業計画を作成していました(下段写真参照)。

クラスごとにシートをつくります。

  • 左の列から日付・単元名・メモとします。
  • 一番上の行には、クラスと曜日・時間を書いておきます。

高校日本史の場合、4単位でしたから 授業が週に4回ずつあります。

予定通りに進めば、赤ペンでチェックマークを入れますし、予定からずれても赤でどこまで進んだかメモ欄に書きます

授業用のプリントを入れたファイルの1ページ目に綴じ、縮小版は手帳に貼付して週のプランニングをするときに大まかに進度を確認できるようにします。

ここまでやると必ず生じるのが「クラスごとの時間数のずれ」です。

つまり、予備日です。

これをどう使うか?は自分の裁量です。

  • 新しい展開の授業をやってみる
  • 演習問題をやってレベルアップを図る
  • 質問対応をして理解を深める
  • トラブルに備えて、先に進める

何を選んでもいいのですが、もう一つの選択肢として「有休をとる」も強調したいと思います。

銀行や病院、役所に行ってもいいですよね。

6月半ばには生徒も教員も体調を崩しがちになりますから、体調をととのえるために1日のんびりすることもありました。

不妊治療をしていた頃は、通院日が急遽決まるためそれに備えておくこともありました。

いかがだったでしょうか。

(私は私学教員でしたから、恵まれていた部分もかなりあります)

(とはいえ、入職当初から「休みやすい」「意見を言いやすい」風土ではありませんでした)

あくまで私の一例ですから、今日紹介した3つすべてをやる必要はありませんが、ぜひひとつは試してみてくださいね。

手帳の使い方に正解はありません。

手帳を1冊買った時点で、あなたは365日を自由にプランニングすることができます。

先を見通すことができれば、慌てることがなくなります。


緊急事態が発生しても、余裕をもっていれば調整することだってできますし、誰かにイライラすることも格段に減るのです。

常に視野を広く、視座を高く保つことができれば、生徒たちとの関わり方にも工夫が生まれてきます。

家庭でも、プライベートでも穏やかに過ごすことができますよ。