予定通りに仕事を終わらせるタスクの細分化。


予定通りに仕事を終わらせるタスクの細分化。

女性教員専門ライフコーチの蒼井櫻子です。



手帳を使っていて、こんなことで困っていませんか?



  • 長期の計画を立てたり、時間を読んだりするのが難しい
  • やることリストや手帳を書いても、いざ着手すると”え、この作業も必要だったの?”となる



今回はこの困りごとを解消する考え方を紹介します。


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長期の計画と一言でいっても、以下のように3パターン程度にわけることができます。


1.年単位

  • 自分のキャリアアップ
  • 仕事上のスキルアップ
  • 転職や留学の計画
  • 家族計画


2.学期単位

  • 授業やテストの計画
  • 行事の実施計画と準備
  • 学級経営、進路指導


3.数週間~月単位

  • 生徒との二者面談
  • 分掌関連の業務
  • 懇談会の準備
  • 成績、所見の準備・入力


より長期になると数年単位で考えるトピックもあるかもしれませんね。



今回は、学期単位から数週間・月単位の規模で考えてみたいと思います。



人は、時間を見積もることができない



計画を立てる上で大前提となるのが【人は時間の見積もりを立てることができない】ということ。



朝の身支度のように何千、何万回と繰り返し、ルーティーンとして完成しているものや無意識化しているものは見積もるまでもないほど、かかる時間がわかりますよね。



でも、小さなタスクや馴れないタスクの集合体になるとそうはいきません。

(多くの人や部署・企業が関係する大規模工事になると、完成予定に間に合いません!というニュースが取りざたされますが、そんなの当たり前なんです)




その理由を個人レベルでいえば、時間の見積もりをするときに【ギリギリできる時間】や【集中すればできる時間】で考えているからです。



先生方とお話していると、時間を見積もるときにたくさんの条件がつけられていることがあります。



  • イレギュラーな案件が発生しない
  • 電話がかかってこない
  • 隣の先生に話しかけられない
  • クラスで心配事やトラブルが起こっていない
  • 疲れておらず、頭がよく回る
  • 気持ちも前向き



以上の条件が満たされているとしたら30分でいけます!…となる。



そーんな条件、満たせるわけないんです。

先生方もご自身で途中から笑ってしまわれます。

なぜか、楽観的になっちゃうんですよね。



まず、【自分の見積もりは甘い】という前提で考えましょう。




とはいえ…

やはり見積もりはできたほうが、他の仕事とのバランスもとりやすくなるし、退勤時間のコントロールもしやすくなります。



現実的に時間を予測するには、どうしたらよいのでしょうか?



答えは、とてもシンプル。



データを取る、ということです。



時間の予測には、データ収集が勝ち。


毎月の出費を抑えたいなと思うことがありますよね。


そしたら、何にいくら支払っているのか?数か月分は確認するはずです。



そのうえで


  • 携帯電話のキャリアや保険料、光熱費などの固定費を見直す
  • ファッションやコスメに割くお金を減らしたり、売ったりする


…のように、無理なく楽しんで代替できる方法や出費を減らす方法を考えますよね。



毎月の支出をチェックすることなしに、栄養バランスを度外視した食生活に切り換えるということはあまりしないのではないでしょうか?



時間や心に余裕がほしいと思うとき、回り道に感じたとしても【まず、データをとる】が一番現実的なんです。


  • どの作業に、どれくらい時間がかかっているのか?
  • この作業をするためには、どんな手順が必要なのか?


まず1週間を手帳に記録してみてください。



簡単に思いつく方法ほど、時間がかかる。


  • 集中できる時間を延ばしたい!
  • 作業スピードを上げたい!


そうおっしゃる先生、少なくないです。


私も「練習すれば」できると考えますが、この方法は精神的に健康でタフな人向け。


毎日を生きるのに必死な先生には、現実的ではありません。


大体予定通りにタスクを片付けられるようになってから、最終ステージとしてチャレンジしてみるといいでしょう。



時間を測るなら、タイマーは使わないで。


プランニング講座の受講生さんには、毎日こなしているタスクの時間を計測してもらっています。


タイマーの使用は、先生には向いていません。

始めと終わりの時間を手帳に記録するという方法をおすすめします。



どんなタイプの作業に、どれくらいの時間がかかるか?といった平均値がでてきます。


そこに予備の時間を足して計画するように練習していきます。

実際は、計画よりも早く終わるように過去の自分と競争してもらいます。



すると、無理なく作業のスピードを上げることができますよ。



なぜタイマーの使用をおすすめしないかというと…



はかるのは「作業自体」にかかる時間ではなく、人に話しかけられる、電話がかかってくる、職員室に生徒がくるという時間も全部いれて記録する必要があるからです。



先生は、とにかく人に話しかけられますよね。



「今、手が離せないので後でもいいですか?」

「明日でもいい?」



そういうやり取りが何回一日にあるでしょうか?

実際は、その場で話さなきゃいけないこともありますよね。



そのたびにタイマーをとめたりつけたりしているのは、現実的ではありません。



タスクを細分化する3つの質問



タスクごとに時間を測ってデータをとるのと同時に、具体的な動作に細分化する練習もしていきましょう。


例えば「今から行事の実施要項をつくってください」と指示されたとします。

実施要項をつくるのに、どれだけのステップがあるでしょうか?



1. 昨年度のデータを見る

(データを探す、データを持っている人からもらうところから始まる先生もいるでしょう)


2. 総括の内容・反省点を確認する


3. 昨年度のデータをコピーして、修正しながら素案をつくる

(おそらく、ここが一番長くて面倒)



3.のステップも以下のように細分化できます。

  • 担当部署、担当者を変更する
  • 器具やAEDの場所を確認する
  • 〇〇部、委員会に連絡する など



作業の細分化には「シミュレーションをする」という表現が適当ですが、そのときに自分にどんな問いかけをするといいのか、3つお伝えします。



  1. まず何からやる?
  2. その前に何やる?
  3. それからどうする?



頭の中でやると、思考があっちこっち飛んでしまいます。

殴り書きでもいいので、ノートや手帳に書き出してみましょう。



細分化が十分かどうか、確認するには【作業中の自分をイメージしたときに、どこから始まるか?】で考えてみます。


作業真っ最中の動作しかイメージできなければ、想定は不十分と言えます。

始まりから終わりまで、臨場感をもってイメージできるまで1~3の問いかけをしてみてください。



このように自分に問いかけながらやってみると、小さなタスクに細分化できます。

手帳に記録していったデータをつかって、時間を確認し、やる順番を決めていくといいですね。



ストレスフリーに働きたいなら、考える時間を惜しまないこと。


平日にどれだけ考え、迷い、探す時間をなくすか?


これが、ストレスなく早く帰ることの秘訣です。



今、所見を書くために数週間から2か月に及ぶ計画に取り組んでいる先生方がいらっしゃいます。



定型文を自分でつくってある先生と、そうでない先生。

評価基準を学期始めに決めている先生と、今から決める先生。

提出物の評価がすでに終わっている先生と、今からやる先生。



始める前から既に個人差がかなりあります。


ですから、成績を付ける・所見を書くという一見シンプルなタスクでも


  • ワークシートの評価基準を決める
  • 評価基準を他の教科担当と打ち合わせる
  • 評価して書き起こす
  • どれくらいの分量で書くか、確認する
  • 誰から書くか、決める


…というように、複数のタスクに分けることになる先生もいらっしゃるのです。


各タスクにかける時間や日数を確認できたら、無理なく進めるように日にち・曜日ごとに振り分けていきます。


月曜は、評価基準を決めて、教科担当に連絡する日。

火曜は、ワークシートを一教科分チェックする日。



週にわけることも可能です。


今週は担当する4クラス分のノート点検を完了する期間とし、毎日1クラスずつ朝礼までに済ませる!と決め、金曜には予備の時間をもうけておく。



具体的な動作にしてから計画を立てると使える時間はそんなにないとわかりますよね。

他の仕事も含めて、どの作業を念入りにやるのか?敢えてサクッとやるのか?締切を変えてもらうか?ということも検討します。



以上の検討を週末の手帳タイムで全部やってしまうと平日スムーズに過ごすことができます。



正直、面倒ですよね。わかります。


けれど、その場で考えて迷って、誰かに気を遣って「どうしようどうしよう」とあたふたする方が断然ストレスフルです


時間も体力も精神力も、もったいないです。




今日紹介した考え方はプランニングメソッドの一つですが、考え方に馴れてくれば家事や育児にも応用できます。



難しく考えていたことがシンプルになったり、別々にやっていたことを一緒にできたりします。

時には「そもそもこの作業は要らないよね」と削ったりすることもできますよ。



これをお読みの先生方にとって、少しでも自分自身の生活や仕事そのものを楽しめるヒントになれば幸いです。